日本公文教育研究会

| 目次 |
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| ■日本公文教育研究会の事業概要 |
― 公文の事業概要を教えてください。
公文は、全国89カ所の事務局を拠点として、1万7,000にもおよぶ公文式教室をフランチャイズ展開しています。公文式教室では、幼児から社会人まで幅広く学習に取り組んでいます。また、国内にとどまらず世界46の国と地域で公文式を展開しています。
― 国内で競争が激化している中、生徒数を維持し続けている理由は。
公文式教室の先生が、地域に根ざして学習者一人ひとりを大切にしながら、きめの細かい指導を行っていること。そして、教材を子どもたちがより学習しやすいように改訂し続けていることが、生徒や保護者のみなさんから支持されている理由だと考えています。
| ■SKIPをどのように利用しているのか |
― SKIPをどのように利用しているのか教えてください。
社員同士が、気軽に悩みや相談ができる社内SNSとしてSKIPを利用しています。いわゆる「ほうれんそう」のためのツールや社内に溜まっている知恵や経験を活かすソリューションということではなく、各社員の思いや考えを引き出し、社員間のコミュニケーションを活性化することを目指しています。
― SKIPの参加者はどのような方ですか。
原則、社員は全員参加可能です。招待制ではなく、参加する意思があれば自ら登録してもらうようにしています。各教室の先生は、社員ではないので参加していません。
― 各教室の先生は参加者に入っていますか。
公文式の教室はフランチャイズ方式で運営しています。各教室の先生は社員ではないので、現時点では対象外となっています。
― 現在の参加者数はどのくらいですか。
正式にオープンしてから2カ月ほど経ちましたが、現在の参加者は700名ほどです。社員数は2000名ほどなので参加者が少ないのではないかと思われるかもしれませんが、SNSということを考えれば参加者は順調に増えていると思います。
― どのような内容が投稿されていますか。
主な投稿内容は、次の通りです。
- 教室を訪問した際に見たこと、感じたこと(先生や生徒さんの様子など)
- 事務局が開催する講座の内容について
- 公文式を学習しているわが子の様子
- 公式情報として伝えなくてよいレベルの情報
- 新しい教材に関する情報や意見募集
- 社内システム活用のコツ(正式マニュアルではなく、便利な使い方など)
そのほか業務とは関係ありませんが、iPhoneに関するグループは投稿が多いようです。
| ■目的1: 全国に散らばっている社員間のコミュニケーションを活性化したい |
― SKIPを導入した目的を教えてください。
SKIPを導入した背景には、大きく2つの目的がありました。1つは、「社内コミュニケーションの活性化」。もう1つは、「暗黙知を共有するための基盤整備」です。
― それではまず、「社内コミュニケーションを活性化」について教えてください。
当社では国内を7つのゾーンに区分し、計89カ所の事務局を設けています。各事務局には10名~40名の事務員が働いており、担当教室の指導相談やアドバイス、新規教室の開拓にあたっています。
しかし、ゾーンが異なる事務局間同士が交流する機会が少なく、ゾーンを超えて事務局や社員が情報交換をする場もほとんどなかったので、交流の場を設ける必要があると感じていました。
| ■目的2:ほかの手段ではカバーできなかった暗黙知を共有するための基盤を整備したい |
― 次に「暗黙知を共有するための基盤整備」について教えてください。
このような状況を踏まえ、SKIPを導入する以前からさまざまな情報共有基盤の整備には取り組んできました。
たとえば、グループウェアを導入することで情報を共有できるようにしていますが、各部署の実績や新規教室の展開といった形式知の共有が中心で、非公式な暗黙知の共有はほとんどできませんでした。グループウェアには掲示板のような機能もあるのですが、ユーザインターフェースが良くありませんでした。また、Q&Aシステムも導入していますが、経費などに関する質問が中心となってしまいがちで、知らない社員同士がやり取りをしたり、社員同士のコミュニケーションを活性化させるような場にはなりませんでした。
そこで、SKIPのような社内SNSなら、個人が情報を発信するディスカッションの場を設けることができ、暗黙知が共有されるようになるのではないかと考えるようになりました。

| ■社内SNSに注目した理由 |
― なぜ社内SNSなら、「個人が情報を発信するディスカッションの場を設け、暗黙知を共有できる」と考えたのでしょうか。
個人的な経験から、SNSは個人が情報を発信しやすく、ディスカッションの履歴も見やすいので、暗黙知のような情報を共有するのに向いているのではないかと思っていました。そこで、2007年ぐらいから実験的にIT戦略室(情報システム部門)の中だけで利用する社内SNSを設けました。
― 実際に利用してみてどうでしたか。
活発に情報がやり取りされるようになり、全社的に展開すれば、面白いのではないかという手応えはありました。
| ■社内SNSを導入する上での課題 |
― 手応えを感じて、すぐに全社への導入が決まったのでしょうか。
いいえ。全社的に導入するのには、いくつかの課題を解決する必要がありました。
― どのような課題ですか。
当時利用していたSNSは、招待制のSNSシステムで、しかもニックネームを利用して参加するものであったことから、社員同士がオープンにつながる場には向いていないと考えました。
また、マスコミなどの影響でSNSやブログのようなソーシャルメディアに対してネガティブなイメージもあったので、それを払拭して役員に説明したり、どう社内に浸透させていけばいいのかを考える必要がありました。
| ■SKIPを選定した理由 |
― SKIPを知ったきっかけは。
情報共有に関する研究会に参加したときに、SKIPに関するセミナーを受講したのがきっかけです。
― SKIPの導入を決定した理由を教えてください。
- 実名で運用できる
- 招待制度がない(全社フラットで運用できる)
- ディスカッションの履歴を追いやすい(特にコメントに対するコメント機能が使いやすい)
- Q&Aが使いやすい
- 導入コストが低い
| ■どうやってSNSの参加者を増やしていったのか |
― SKIPを導入した経緯を教えてください。
2009年の春頃、「IT活用推進委員会」というプロジェクトが立ち上がりました。これはSNSのためではなく、その名の通りIT全体を活用するための社内プロジェクトだったのですが、首都圏ゾーンの営業部門に3カ月限定でSKIPの利用を提案してみました。
実際使いはじめてみると、首都圏ゾーンだけでなく、その話を聞きつけた中国四国ゾーンの社員が、自発的にやりたいと申し出てきてくれました。その後、中国四国ゾーンではSKIPを利用して活発にディスカッションが行われるようになり、そのうわさがほかのゾーンやほかの社員にも伝わり、SKIPの参加者が徐々に増えていきました。
そうなると、ブログの投稿も増えはじめ、さまざまなデータも蓄積されていきます。その様子を見ながら、そろそろ正式に全国展開をしてもいいのではないかと考えるようになりました。
そこで、SKIPでやり取りされる情報の種類やSKIPの利用状況、そして適用範囲を図解しながら導入を提案したところ、2010年4月に部長会で正式に承認を得ることができました。部長会には、IT活用推進委員会のメンバーがいたことも、功を奏したと考えています。
| 公文における社内SNSの導入経緯 | |||
| 時期 | 参加メンバー | 参加人数 | 備考 |
| 2007年 | IT戦略室限定 | 30名 | |
| 2009年4月 | IT戦略室+モニター社員 | 30名+数名 | SKIPを利用 |
| 2009年12月 | IT戦略室+モニター社員+首都圏、中国四国ゾーン | 300名 | |
| 2010年4月 | 全社員対象 | 400名 | 正式オープン |
| 2010年6月 | 全社員対象 | 750名 | |
| ■SKIPの導入効果 |
― SKIPを導入した効果について教えてください。
正式にオープンしてから参加者が急増したこともあるのかもしれませんが、時間が経つにつれてコメントの投稿が活発化してきています。
その中で、例えば教室訪問時に生徒に接するときの実践例やちょっとしたコツといった情報もやり取りされるようになってきており、効果を実感しています。
また初対面でも、コメントのやり取りをしている人となら会話がスムーズに進むことが多く、社内のコミュニケーションが円滑になりました。個人的には、出張時に面識のない人から声をかけられるようなこともあります。
| ■これからSKIPを導入する企業へのアドバイス |
― これから導入する企業へのアドバイスがあれば教えてください。
SNSを実際に運営してみてわかったことがいくつかあります。
(1)最初に入っているテーマが重要
いきなり専門的なテーマやグループを設定してしまうと敷居が高くなってしまいます。最初は、社内のだれもが参加しやすいゆるめのテーマを用意しておくと投稿数も増えやすいと思います。まずは、興味を持ってもらい、慣れてもらうことが重要ですから。
(2)ソフトランディング(スモールスタート)
最初は数人の参加者でも構わないので、参加する意思のある人を少しずつ巻き込み、時間を掛けて浸透させていくほうがいいと思います。全体的には若手社員の参加率が高く、年齢層が高めの社員の参加率は低くなってしまいますが、強制登録させると無理にでも主張する人が現れそうで危険だと考えています。現在のコミュニティの雰囲気を維持するためには、ソフトランディングで浸透させていくことが重要だと考えています。
(3)硬い内容でもトーンをやわらかく
社内SNSなのでテーマが硬くなってしまうこともあるでしょう。しかし、テーマが硬くても語り口がやわらかければ、敷居を下げることができると思います。
(4)コンセプトにそぐわないものは対応していく
基本は自由にディスカッションをしてもらうようにしていますが、SNSの品位を保っていくためにテーマ設定や発言内容をチェックして、コントロールしなければならない場面もでてきます。コンセプトにそぐわない投稿に関しては、投稿者に連絡入れて、こちらの意図を説明すれば大きな問題となることはないと思います。
(5)「発信すれば、情報は集まる」という文化を浸透させる
どうしても、発言が活発な人と見るだけの人と分かれてしまいます。それは自然なことですが、「発信すれば、情報は集まる」ということを伝えていくことで、ディスカッションを活性化させることができると考えています。
| ■今後の要望と期待 |
― SKIPへの要望や期待があれば教えてください。
SKIPにはとても満足していますがあえて言うなら、コメントに対しても写真を簡単に挿入できるようなったり、文字のサイズを調整できるようになったりすれば、さらに使いやすくなると思います。今後も、機能の充実を図っていただければと思います。
また、TISにはとても感謝しております。今後も、質の高いサポートを期待しています。
お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。
※ 取材日時 2010年6月



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